遠隔骨転移を伴う乳腺、前立腺およびその他の固形がん患者に対する破骨細胞阻害薬
原題(UpToDate)
Osteoclast inhibitors for patients with bone metastases from breast, prostate, and other solid tumors – UpToDate
SREsとは
SREs(skeletal-related events;骨関連有害事象)遠隔骨転移に由来する合併症の総称。
骨折、脊髄圧迫、手術や法線治療の必要を生じること、悪性高Ca血症。
溶骨性骨転移に多いが、造骨性骨転移でも起こりうる。
症状を伴うSREsをSSEs(symptomacit skeletal events;症候性骨関連有害事象)と呼ぶ。SSEsはSREsより臨床的に意義深いエンドポイントである。
骨痛やQOLはSREの定義に含まれない。高Ca血症の扱いは研究によって異なる。
SREsの治療
破骨細胞阻害薬(osteoclast inhibitor)による治療を行う。
ほとんどの場合、
第1選択薬:デノスマブ(120mg、4週ごと、皮下注)
第2選択薬:ゾレドロン酸である(4mg、3~4週ごと、IV) 4mg/100mL製剤を15分以上かけて点滴静注
第3選択薬:パミドロネート(90mg、3~4週ごと、2時間以上かけてIV)
適応
- 骨転移を伴う固定がん(ホルモン感受性前立腺癌の骨転移例は除く)
破骨細胞阻害薬(osteoclast inhibitor)導入前準備
+ 歯科受診(顎骨壊死防止のため、導入後も定期的な受診が望ましい)
+ 低Ca血症/Vit.D欠乏症があれば補正
+ Ca/Vit.Dの十分な摂取を指導 → 骨粗鬆症に対する指導と同じ方針でOK
+ 腎機能検査
経過観察
+ 血液検査(腎機能、Ca、P、Mg、電解質を含む)
+ Vit.Dの摂取状況も評価する
治療期間
+ 基本的には無期限(死ぬまで)である
+ 治療中にSREが出現しても継続
+ 治療薬の変更は選択薬の順位を上げていくなら意味がある
副作用対策
BPとデノスマブに共通する有害事象(学校壊死、低Ca血症、その他の電解質異常、非定型骨折)
BP特有の有害事象(腎不全、急性期反応、眼有害事象、筋骨格痛、心房細動)
デノスマブ特有の有害事象(感染症増加)
骨バイオマーカー
+ 尿中NTX (urinary N-telopeptide of type Ⅰ collagen)
+ 骨型アルカリフォスファターゼ(BAP)
+ 尿中NTXやBAPなどの骨バイオマーカーは腫瘍による骨破壊と相関する
+ 血清CTX(serum C-teloppetide)
無治療だとどうなるのか
[1] ルーチンにBPが使用される以前の骨転移を伴う乳がん患者では50%異常がSREを発症
[2] 溶骨性骨転移を伴う乳がん患者では破骨細胞阻害薬を使用しないと平均3-4ヶ月ごとにSREを発症する
[3-5] SREを生じやすいのは乳癌(2年累積発症率 68%)、前立腺癌(2年累積発症率 49%)、肺がん(小細胞および非小細胞)および固形がん(21ヶ月累積発症率 48%)
治療するとどうなるのか
+ デノスマブはSREの発生率、発生までの時間いずれもBPより有効性が高い
+ BP vs プラセボのデータあり
+ 乳癌(SRE発生率30% vs 50%、SRE発生までの時間 中央値に達せずvs364日、有害事象増加なし)[31]
+ ホルモン抵抗性前立腺癌(SRE発生率33% vs 44%、SRE発生までの時間 中央値に達せずvs321日、有害事象増加なし)[32]
+ その他の固形がん(小細胞、非小細胞肺がん、腎がん、甲状腺がん、頭頸部がん)(SRE発生率38% vs 47%、SRE発生までの時間 230vs163日) [34]
+ デノスマブ vs BPのデータあり [20]メタアナリシス
+ 最初のSREのリスク(HR 0.83, 95%CI 0.76-0.90)
+ 最初のSREあるいは悪性高Ca血症までの時間 (中央値 26.6 vs 19.4ヶ月)
デノスマブ(denosumab;商品名ランマーク)
RANKLに対するモノクローナル抗体
RANKL(receptor activator of nuclear factor kappa B ligand)
ゾレドロン酸(zoledronic acid;商品名ゾメタ)
+ BPの1つ

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