独学者のための瞑想(マインドフルネス)を学ぶ本

ストレス社会を反映して瞑想(マインドフルネス)がブームである。マインドフルネスの原点にあるのは仏教の瞑想技術である。古代から仏教を受容してきた日本では、瞑想は主に禅を通して大昔から連綿と存在してきた。しかし今日ブームになっているのはこれではなく、アメリカから逆輸入されたものである。

近年アメリカで仏教の受容が進んでいるという背景がある。アメリカの仏教受容の特徴は、仏教の既成宗派に束縛されず、個々人が自分に合うものを自分の感性で組み合わせていく自由さ、合理性にある。科学的な検証を重視することも特徴である。この辺に、伝統的な仏教瞑想には魅力を感じなかった現代の日本人にもマインドフルネスがうけた理由があるだろう。

さて、この逆輸入されたマインドフルネスを今日の日本人としていかに学ぶことができるのか。自分自身の経験を元にオススメ書籍を整理してみようと思う。

以下5つのアプローチで整理していく。

1.仏教と無関係な立場で学ぶ方法

2.テーラワーダ仏教の伝統に基づく方法

3.ティクナットハンに基づく方法

4.チベット密教の伝統に基づく方法

5.現代日本的なアレンジを加えた方法

1.仏教と無関係な立場で学ぶ方法

これは意図的に仏教色を排し、瞑想を科学的・医学的に行う方法である。この分野には絶対的な定本がある。

現在のマインドフルネス・ブームの原点と言ってよい一冊である。この本を実践する際の助けとなる本というか音声ガイドCDとして以下がある。

実際に人から教えてもらいたいと思ったら、東京には以下のセンターがある。

マインドフルネスでストレスを低減する | 東京マインドフルネスセンター

日本人(心療内科医師)の著作として以下がある。

2.テーラワーダ仏教の伝統に基づく方法

マインドフルネスが仏教に基づくことを先に述べたが、仏教の中でもは特にテーラワーダ仏教(上座部仏教、小乗仏教)の影響が大きい。テーラワーダ仏教の特徴は論理性、明快性にある。テーラワーダ仏教もミャンマー、スリランカ、タイなど国によって少しずつ特徴が違うが、大筋は同じである。

おそらくこの分野で日本でよく目にするのは以下の本であろう。

マニュアルに徹しているため分かりやすいが、一方でやや画一的、極端という印象もある。自分に合えばそのままやればいいと思うが、これが合わないからといって瞑想そのものが合わないと判断するのは早合点である。

グナラタナ師の3部作もよい本である。一部、高度すぎる境地の話もあるが(特に『マインドフルネスを超えて』)その辺は無視すればいいだろう。

この他、以下も良書である。

ブッダダーサ比丘はテーラワーダの僧侶である。経典に忠実であり、やや原理主義的である。

ラリー・ローゼンバーグは様々な仏教瞑想を体験した米国人男性である。

マハーシ師はテーラワーダの僧侶である。この本は、先に紹介したスマナサーラ師のマニュアル本のネタ本であろう。

シャロン・ザルツバーグは米国人女性である。慈悲の瞑想を重視していることが特徴である。

プラユキ師は書名にある通りタイで出家した日本人僧侶である。バランス感覚の優れた人と思われる。

テーラワーダ系瞑想はその論理性・明快性のゆえに、方法論的には科学志向の人にも比較的受け付けやすいと思われる。おそらく受けつけ難いのは、その輪廻思想である。テーラワーダはそういうモチベーションでやっているので批判されるいわれはないのだが、その厭世主義的な輪廻思想には違和感を感じる日本人は少なくないであろう。

3.ティク・ナット・ハンに基づく方法

ティクナットハンはベトナムの禅僧であるが、テーラワーダの手法を取り入れた独自の瞑想技術を展開している。多数の著書があるが瞑想法の手引としては以下3冊が特に重要である。

ティク・ナット・ハンはテーラワーダの論理性を利用しながら、その厭世主義的な輪廻思想は後退させ、代わりに大乗仏教的な現実肯定的な慈悲の思想を強調している。その分、おそらく日本や欧米の人には受け入れやすい。また詩人でもあるため文章が美しい。

そういった点が長所でもあるが、やや理想主義的でふんわりしている感じもあり、人によって好き嫌いが別れるであろう。

4.チベット密教の伝統に基づく方法

チベットの瞑想の特徴は想像力(イメージ)を多用することである。伝統的に使用される曼荼羅や仏のイメージは日本人には、はっきり言って馴染みが薄い。率直に言って、これまで紹介してきたマインドフルネス瞑想と比べると異質な印象を禁じ得ない。テーラワーダと密教は全然違うように私には思えるが、アメリカ人はあまりその辺は気にならないらしく、かなりおおらかに両方好きなように混ぜて実践しているようである。

代表的な本として以下のものがある。

瞑想本ではないが、以下の本には瞑想のテクニックも詳しく紹介されている(残念ながら絶版、中古はすごい値段)。

テーラーワーダとチベット密教のそれぞれの専門家が合作した以下の本などは、まさに現代アメリカ仏教的な本である。

この他にもチベット密教の瞑想本はたくさんあるが、正直いってキワモノの臭いのするものもあるので、慎重に接することをオススメする。

5.現代日本的なアレンジを加えた方法

小池龍之介の以下の本がある。

タイトルには坐禅とあるが、日本の伝統的な坐禅ではなく、方法論の根底にあるのはテーラワーダである。特に先にも紹介した以下の本である。

 

 

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