抄読会のために読んだ、Clinical outcomes of elderly patients treated for oral cavity squamous cell carcinomaのまとめメモである。
要約
目的
口腔扁平上皮癌(OCSCC)は高齢者に好発する。本研究では高齢OCSCC患者の臨床成績を、機能状態及び臨床的合併症に基づいて探索する。
対象と方法
1998-2013年に新規にOSCSSと診断された70歳以上の患者のうち、根治手術+アジュバント治療を受けた患者180名を後ろ向きに調査した。
病理レビューを行ない、ECOGと頭頸部チャールソンインデックス(HN-CCI)を評価した。
キャプランマイヤー法と累積派生推定によりOS、PFS、LRR(locoregional recurrence)を評価した。
年齢、アジュバント治療、病理学的危険因子、ECOG、HN-CCIを用いて、単変量及び多変量解析を行った。
結果
年齢中央値は80歳(範囲:70-95)、追跡期間中央値は23ヶ月。
mOSは18ヶ月(70-84歳)、46ヶ月(85歳以上) (p=0.0017)
LRRは1年24%、2年30%(いずれも全患者)。
単変量解析ではECOG 2以上(HR=1.96 [1.19-3.21]) p=0.008)、HN-CCI 2点以上(HR 1.97 [1.17-3.34], p=0.011)が予後不良因子であった。
多変量解析ではHN-CCIスコアがECOGスコアよりも、OS,PFS,LRRのよい予測因子であった。
OS不良の予測因子は、年齢85歳以上(HR1.78 [1.07-2.96], p=0.026)、HN-CCIスコア2点以上 (HR=2.21 [1.20-4.08], p=0.013)、病理的危険群 (HR=2.35 [1.34-4.13], p=0.003)であった。
アジュバント治療は病理高危険群のOSおよびLRRに有意なインパクトなし。病理高危険群の48%がアジュバント治療を受けていなかったにも関わらず。
結論
健康状態のよい高齢患者はOCSCCの進行が問題になる程度に長生きする可能性がある。
ECOGおよびHN-CCIスコアはアジュバント治療の候補を評価するために有効かもしれない。
しかしながらこの群に対するアジュバント治療の利益は未だにはっきりとはしておらず、前向き試験での検討が望まれる。
背景
口腔扁平上皮癌は米国の新規がんの2.9%であり、男性、喫煙者、高齢者に多い。[1,2]
診断時年齢の中央値は62歳、43%が65歳以上、22%が74歳以上。[1]
だが高齢者の口腔扁平上皮癌のデータは限られている。
米国社会の急速な高齢化にも関わらず、2001-2011に臨床研究(cooperative group trial)に参加した高齢者は約20%のままであり、これらの研究結果の外的妥当性には疑問の余地がある。
口腔扁平上皮癌の標準治療は手術 → 適応あればアジュバント治療である。
対象と方法
1998-2013年に新規にOSCSSと診断された70歳以上の患者のうち、根治手術+アジュバント治療を自施設で受けた患者180名
除外基準:根治CRT症例、再発例、新規遠隔転移例
HN-CCI
(1) うっ血性心不全(congestive heart failure)
(2) 脳血管イベント(cerebrovascular acceident)
(3) 慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)
(4) 潰瘍性疾患(ulcer disease)
(5) 肝疾患(liver disease)
(6) 糖尿病(diabetes)
各合併症があれば1点となり、合計0-6点で患者を評価する。
病理評価(頭頸部がんの病理学的危険因子)
最終的には単変量解析の結果に基づき、T3-T4、ECE、PNI、断端陽性を病理的危険因子とした。
結果
多変量解析からは
OS(70-84歳)ではHN-CCI 2点以上が予後不良(P=0.02)、OS(85歳以上)ではECOG 2点以上が予後不良(p=0.0041)
PFS、LRRでも70-84歳ではHN-CCIが、85歳以上ではECOGが予測子表として有効であった。
考察
放射線治療のプロトコルは全例が追跡できたわけではない。
(著者らの施設のプロトコル)
腫瘍床(60Gy)、高リスク領域(54Gy)、低リスク領域(50Gy)
適応(1)T3-T4、断端陽性、PNI、LVI、grade 3、リンパ節陽性、節外浸潤陽性 → 年齢にRT or CRT
(2)断端陽性 and/or 節外浸潤陽性 → CRT

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