前立腺癌放射線治療後のPSA再発の判定基準がPhoenix基準になった論文

文献

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要約

目的: 放射線治療後(外照射および小線源、それぞれホルモン治療併用ありなしの場合を含む)にPSAバウンスが起きた際に、PSA再発を判定する9つの基準がそれぞれでどの程度の偽診断率(falce call rate)であるかを見極めること

方法と対象: 前向きに集積された2030名の患者データベースを解析した。PSA再発は、American Society for Therapeutic Radiology and Oncology (ASTRO), Vancouver, 閾値 n, nadir + n の各基準を、まず完全なデータ・セットに対して、続けてトランケートしたデータセット、即ち バウンス以後のデータを意図的に削除したデータセットに対してに適応して判定した。その上でFC率を各基準ごとに算出した。

結果: バウンス率(本研究の自由な定義に基づく)は外照射で58%、小線源で84%であった。FC率はnadir+2、nadir+3の基準で最も低く (各々2.2%、1.6%) 、低い閾値基準およびASTRO基準で最も高かった(各々32% and 18%)。ASTRO基準は特にホルモン併用時に弱かった(24%)。

討論: 新しい生物学的な疾患不在証明(biochemical non-evidence of disease)はASTRO基準よりロバストであった。FC率の最も低かったnadir+2 およびnadir+3基準はいずれも、2005年のRTOGグループ-ASTROコンセンサスパネルにおいてASTRO基準に取って代わるものと考えられる。

方法と対象

  • 経過観察のスケジュールと項目: 通常、患者は最初の3年間は6ヶ月毎、次の3年は1年毎、以後は2年毎に経過観察された。各診察時には、身体所見、PSA、テストステロン、有害事象を記録した。
  •  バウンスの定義(@本研究): いったん上昇後、ホルモン、経尿道切除などの二次治療前に程度のいかんを問わず低下を伴う全てのPSA上昇。
  • バウンスの持続期間の定義: バウンスの開始から終了までの期間。
  • 最大バウンスPSAの定義: バウンス時のPSA値
  • 9つの基準の詳細: ASTRO, Vancouver, nadir n (n は 1, 2, or 3 ng/mL), 閾値n (絶対基準あるいは外科基準としても知られいる)(n は 0.5, 1, 2, or 3 ng/mL)。Vancouver基準は2回以上の少なくとも1回は1.5ng/mlを超える上昇のうち最初の時点を再発とするもの。
  • FC率の計算方法: (1) トランケートされたデータセットでは再発基準によりバウンスが再発と診断されたにも関わらず、フルデータでは再発基準を満たさないもの (2) トランケートされたデータセットとフルデータセットを比較して、トランケートデータセットでは1年以上早く再発と診断されたもの

結果/議論

  • nadir+2基準(=Phonenix)基準が2005年のRTOG会議にて採択された
  •  ADTを使うとPSAのバウンス幅は小さいが長く続く傾向がある。ASTROのような連続上昇回数を基準とするとFC率が高まってしまう。
  • 外照射ではそもそも小線源よりPSAバウンス値が高い傾向があり、外科基準のような絶対値を用いた基準ではFC率が高まってしまう。
  • 古典的バウンス率(一時的なPSA上昇のうち、上昇後にバウンス開始時点よりも低値にPSAが下がるもの)は外照射で43%、小線源で71%であった。

[図表] 1. RTモダリティおよびADTの有無でみたバウンス動態学

  • Bounce出現頻度は、外照射で6割、ブラキで8割
  • Bounce出現時期は照射後、外照射で1年半、ブラキで1年
  • Bounce持続期間は、外照射、ブラキとも1年(ブラキの方が1ヶ月程度長い)
  • 外照射、ブラキともホルモン使用群の方が、バウンス出現時期は早まる
  • 外照射、ブラキともホルモン使用群の方が、バウンスの持続期間は長い
  • バウンス時点のPSA値は外照射でPSA約1,ブラキで約0.3。
  • 外照射の方がブラキより、バウンス出現率は低いものの、治療後時間がたってから出現し、長期間続く傾向がある。しかも最大バウンスレベルが高い。 → 連続PSA上昇のような基準では誤診しやすい。

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