脳MRIにおける造影効果をもたらす機序について、また脳MRIで造影効果を示す疾患は多岐に渡るが特に転移性脳腫瘍について、[zotpressInText item=”{4C54ACA9}”]からポイントをまとめる。
脳MRIにおける造影の機序について
一般にMRI T1WIにてGd造影効果が生じるためには、自由水プロトン(free water proton)とガドリニウムが存在する必要がある。
また通常、GdはBBBを通過しない。
従って、中枢神経(CNS)がMRIで造影される機序は2つである。
1. 血管内の造影(intravascular):血流または血液量が増加することによる
2. 血管外(=脳実質)の造影(extravascular):血液脳関門(BBB)の透過性が亢進すること
上記1,2の事態を引き起こす生理学的・病理学的現象として以下のものが挙げられる。
1. 血管内の造影効果: 反応性うっ血や新生血管は血液量および血流量を増加させ、通常、平均通過時間を短縮する。
2. 血管外の造影効果: 血管新生(angiogenesis)、活動性炎症(感染性または非感染性)、脳虚血、圧の過剰負荷(子癇や高血圧)など。これらはBBBの透過性を亢進させる、つまりGdが脳実質に漏れる。
皮質および皮質下の結節影造影について
皮質および皮質下実質の結節性造影像は転移性腫瘍および血栓塞栓に典型的である。
脳転移は経動脈性、経静脈性に起こりうるが、通常動脈性が多い。 経動脈性は中大脳動脈領域が最多の好発部位である。 経静脈性の場合、通常は骨盤内の悪性疾患が、傍脊椎静脈叢(Batson venous plexus)を経由する。この経路は、骨盤内悪性腫瘍の小脳・脳幹の転移の経路を一部説明すると考えられる。
脳転移は典型的には、皮質下、灰白質ー白質ジャンクションで発生する。一方、原発性脳腫瘍はより深部から発生する。 脳転移が灰白質ー白質ジャンクションで発生するのは、この部位で血管が分枝し、テーパーすることに由来する。
脳転移巣は血管新生により5mmを超えて発育可能となり、またBBBの異常を引き起こすことにより、病巣周囲に血管原性の浮腫を引き起こす。 脳転移巣は、典型的には皮質・皮質下に局在することから、小さい病巣であっても痙攣を含む臨床症状をきたしやすい。それゆえ転移巣は0.5-2.5cm径程度で発見されることがしばしばである。 一方、原発性脳腫瘍(低分化、高分化アストロサイトーマなど)は皮質を離れた深部から生じることが多いため、症状を呈する際には2.5-5.0cm径程度になっていることが多い。
参考文献
[zotpressInTextBib style=”apa” sort=”ASC”]

コメント