Xamppをバージョンアップすると動作の高速化や安定化が期待できる(必ずではないが)。しかし残念なことにXamppのアップグレードは自動化されていない。手動でのアップグレード作業が必須である。
XamppでWordpressを運用している場合、Wordpress本体には一切手を加えずに、Xamppのバージョンだけを切り替えることができると非常に便利である。以下そのための方法を示す。
これを実現するためには以下3つのポイントがある。
- Xamppはインストーラ版ではなくzip版を使用する。
- XamppはC:\xamppにインストールせず、バージョン名をつけたフォルダにインストールする。その上で、使用したいバージョンのXamppのフォルダからC:\xamppにシンボリックリンクをはって使用する。
- WordPressの本体およびデータベースファイルをXamppの外側のフォルダに配置する。
Xamppのインストール
(1) 最新版Xamppをダウンロードする
ここでインストーラではなくzipまたは7z形式の圧縮ファイルを使用することが、複数バージョン併存のために必須のポイントとなる。
(2) ダウンロードしたファイルを解凍しフォルダに名前を付ける。
フォルダ名は「XAMPPバージョン」とするのがオススメである。例えばXAMPP 7.0.13であれば「XAMPP7013」などとする。
(3) 解凍したフォルダを「C:\」直下に置く
必須ではないがこうしておくと簡便である。
(4) 旧Xamppと「C\xampp」のシンボリックリンクを削除する(既に使用中の旧Xamppがある場合のみ)
(5) 新Xamppを「C:\xampp」にシンボリックリンクする
(6) Apache、MySQL(Maria DB)、PHPの設定を移行する(詳細は以下に記述)
(7) 旧Xamppを停止する(必要ならサービスをアンインストールする)
(8) 新Xamppを起動する(必要ならサービスをインストールする)
Apacheの設定を移行する
Apacheの設定ファイルは<xamppインストールディレクトリ>\apache\conf\以下にまとめられている。移行方針は以下3つが考えられる。
(1) confフォルダごと旧XAMPPから新XAMPPへ丸ごと上書きコピーする
(2) httpd.confなど旧XAMPPで設定をカスタマイズしたファイルだけを新環境に上書きコピーする
(3) httpd.confなどでカスタマイズした設定内容だけを新環境にも移行する
MySQLの設定を移行する
MySQLの設定ファイル(my.ini)を上書きコピーするか、変更を1つ1つ確認しながら移行する。
PHPの設定を移行する
設定ファイル(php.ini)を上書きコピーするか、変更を1つ1つ確認しながら移行する。
以上で複数バージョンのXamppを切り替えて使用可能である。
以下の作業は原則として不要であるが、必要な環境の人のために記述しておく。
WordPressを移行する
Xamppのデフォルトの設定ではXamppフォルダの内部にWordpress関連のファイルが作成される。この仕様に従えば、Wordpress関連ファイルを旧Xamppフォルダから新Xamppフォルダにコピーする必要が生じる。Wordpress関連ファルを予めXamppの外部のフォルダ(例えばc\mydataとか)に置くように設定していない場合、以下の作業が必要である。
旧XAMPP動作下での作業
現在のWordPressのバックアップを行う。2つの作業が必要となる。
(1) htdocs以下のWordpressファイルのコピー作成
(2)データベースのエクスポート
新XAMPP動作下での作業
上記の手順で作成したファイルとデータベースを元に、WordPressの復元を行う。データベースの復元方法は以下の記事を参照。
FileZilla Serverの設定の移行(FileZilla使用時のみ)
XAMPP直下の「FileZillaFTP」フォルダにFileZilla Serverの全てのファイルが入っている。このうち以下2つの設定ファイルを旧XAMPPから新XAMPPへ上書きコピーするだけで移行完了である。
- FileZilla Server Interface.xml
- FileZilla Server.xml
紛らわしいが「FileZillaServer.xml」と「FileZilla Server.xml」という2つの別のファイルがあることに注意して欲しい。違いはFileZillaとServerの間に半角スペースがあるかないか。設定ファイルとして上書きコピーが必要なのは半角スペースの入っている方である。
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