瞑想には色々な方法があります。
真面目に瞑想に取り組もうと思った時に、自分はどの方法でやればいいのか、多くの人が一度は迷うことだと思います。この問題について、役立つ情報を整理してみました。
自分の目的に応じて瞑想を使い分けるという発想
この点に関して一読の価値があるのは以下の本です。
本書のメッセージは、仏教の様々な瞑想法にはそれぞれ達成しようとしている目的があるから、瞑想者はどの瞑想が何を目指しているのかを知って、自分の成し遂げたいと思っている目的にあった瞑想法を選ぶべきだ、というものです。
薬を使う時に、痛みを和らげたいのか、がんを治したいのか、目的によって薬を使い分けます。同じように瞑想を使い分けたり、組み合わせて使おうという発想です。
これは科学や医学的な視点から瞑想をとらえていると言えるでしょう。多くの現代人(伝統的な仏教徒ではない)にとっても受け入れやすい考え方なのではないかと思います。
しかしこういう考え方は、伝統的な・宗派的な仏教の世界では一般的ではないのかもしれません。各宗派には確立したシステムがあり、やもするとそれをそのまま遵守することを絶対視する傾向があるのかもしれません。一例としてヴィパッサーナー瞑想法の1つとして有名なゴエンカ式のゴエンカ氏は、1つの瞑想センターで複数のテクニックを教え併用することは「悪魔の所業」といったそうです。
そういう考え方の大御所もいるということでしょうが、瞑想によって自分の人生によい変化をもたらしたいという人は、当初の自分の目的を明確にそこからずれることなく、適切に薬を使いわけるように瞑想を使い分けていくのが良いと私も思います。
さて瞑想によりそれぞれの目的があると言われても初心者は、どんな方法がありそれぞれ何を目指しているのか見当が付きません。
本書の中では、目的別に瞑想手法を整理した地図を提示したいと書かれているのですが、残念ながら地図と言われて想像するようなそのものズバリの図が出てはきません。具体的な方法論とその分類については、これ1冊で十分な情報量があるとは言えないというのが私の感想です。むしろ既にある程度様々な瞑想法を知っていて、迷うような人には自分なりの地図を作るための貴重な情報がちりばめられているとは思います。
代表的な瞑想法の実例
具体的な方法論が手際よく紹介されている本として以下をオススメしたいと思います。
この第3章でタイ仏教の代表的な瞑想法が紹介されています。具体的には以下のものです。
1.アーナパーナサティ(出入息念)瞑想法
2.プット-(ブッダ)瞑想法
3.ユップノー・ポーンノー(縮み・膨らみ)瞑想法
4.サンマー・アラハン(正・阿羅漢)瞑想法
5.慈悲の瞑想
6.不浄観(死随念はこの1種でしょう)
7.チャルーン・サティ(気づきの開発)瞑想法
いずれ本ブログでも各方法の詳細を紹介していきたいと思いますが、このような著作で、具体的な瞑想法とその目的(サマタかヴィパッサナーかなど)について情報収集することが有益でしょう。
チャルーン・サティ(気づきの開発)瞑想法に関してはこちらの動画が最高の教材の1つです。
自分に一番の瞑想法の見つけ方
具体的な瞑想法について知ってなお残るのは、結局どの方法が自分にとっては一番効果がでるのか、という疑問でしょう。
これについては『実践!マインドフルネス』で熊野宏昭医師が示している回答が大変参考になると思うので引用させて頂きます。
皆さんがも、どうするとうまくヴィパッサナー瞑想ができるのか、マインドフルネスができるのかと、そういうことがお聞きになりたくて、今日来ていらっしゃると思います。それに対して答えるのはなかなか難しいのですが、大事なのは形ではなくて、それがもたらす効果の方なんですよね。ですから人によって、有効な形は違いますので、自分で見つけていくしかないと思うんです。
それでは形はどうでもいいのかというと、そうでもありません。行動療法の世界でも形と働き、もしくは形と機能というふうに分けていますが、大事なのは形ではなくて、その行動が持っている効果であるとか、影響力であるとか、機能であるとしています。でも機能というのは、行動の形とは別にあるのかというと、そうでもない。形があって初めて機能が生まれてきます。
要するに色々、自分の体で試してみて、試行錯誤して自分の心身にあう方法を見出していくことです。回り道が必要ということです。一見無駄なようでいて、それが最短距離なのだろうと思います。
自分自身の体験からも、それぞれの瞑想法がもたらす心の状態というのは異なっています。1つの瞑想法をやってその状態を知ったからこそ、別の瞑想法を試した時にその違いに気づく体験をしています。参考までに申し上げれば、今現在、私が中心にしているのは、アナパナサティ、チャルーン・サティ、慈悲の瞑想の3つです。
自分も変化していきますから、やり方もそれにあわせて変えていく柔軟さも必要でしょう。スポーツや勉強が上達する自分なりのトレーニング方法を、試行錯誤しながら見出していくのと同じように、根気よく楽しみながら続けられたらと思います。


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