遺伝性乳がん・卵巣がん(HBOC)

同義語

遺伝性乳がん・卵巣がん(hereditary breast and ovarian cancer ; HBOC)

疾患概念

原因:生殖細胞におけるBRCA1あるいはBRCA2遺伝子変異

遺伝形式:常染色体優性

女性において遺伝性の乳がん、卵巣がんの原因となる。

疫学

欧米では卵巣がんの10%がHBOCによる

BRCA1遺伝子変異あり → 卵巣がん罹患率 36-63%(ほとんど漿液性腺癌)(1)

BRCA2遺伝子変異あり → 卵巣がん罹患率 10-27%(ほとんど漿液性腺癌)(1)

NCCNガイドライン

上皮性卵巣がん → BRCA1/2遺伝子検査を推奨

(血縁者の乳がん、卵巣がん予防目的、及びPARM阻害薬有効性判定目的)

BRCA1/2遺伝子変異陽性 → 35-40歳の出産終了時に予防的卵巣卵管切除(risk reducing salpingo-oophorectomy;RRSO)を推奨

RRSOは卵巣癌のリスクを80%低下させる

文献

(1) 日本婦人科腫瘍学会編:卵巣がん治療ガイドライン2015年版

 

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