共分散構造分析

定義

共分散構造分析とは「共分散構造」と実際のデータから計算される共分散の値の差が最小化するように母数の値を推定する統計手法の総称である。

「共分散構造」とは、モデルに含まれる母数を使用して、観測変数間の共分散を理論的に表現したものである。

共分散構造分析は、単回帰分析、重回帰分析、分散分析、因子分析などを下位モデルに置く(=即ちこれらの下位モデルは共分散構造分析の枠組み内で統一的に表現可能である)。この点から、共分散構造分析は回帰分析と因子分析を同時に行う方法と説明されることもある。

共分散構造分析のモデリング方法

共分散構造分析のモデルの表現方法は3つある。

  1. 方程式による記述
  2. パス図による記述
  3. 共分散構造による記述

方程式による記述

方程式による記述を行う際にはまず変数を正確に分類することが必要になる。
変数の分類には3つの観点がある。
(1) 観測変数か潜在変数か
(2) 構造変数か誤差変数か
構造変数:考察の対象となっている影響感家に直接・間接的に関係する変数
誤差変数:影響関係では説明でいない変数の変動を生み出す要因として設定される変数
(3) 外生変数か内生変数か
外生変数:モデルの中で一度も他の変数の結果とならない変数。原因でしかない変数。
内生変数:モデルの中で少なくとも一度は他の変数の結果となる変数。