デジタル時代の読書ノート作成術

クローバーの社

勉強や調査目的で読む本を、長く内容を記憶しておきたいし、忘れてしまっても内容をすぐ思い出せる助けとなるまとめを作っておきたい。
そのために読書ノートというものがあるわけだが、その作成にかなり時間がかかるので、読みっぱなしになり、内容を忘れ去ってしまった本が私にはたくさんある。

読書の歩留まりを高めるにはどんなふうに読書ノートを作ればいいのだろうか。
これまで幾度となく考えてきたことを書いてみたい。

まず最終的にどんなノートができたらいいのだろうか。
ポイントだと思って線を引いた文章や使えると思った図表だけを切り取って貼り付けたスクラップブックのようなものが、私の欲しいものである。
そこに自分が考えたこと、疑問に思ったことなどをメモとして書き込んでいく。そんなイメージである。

要するに読書ノート作成というのは、(1) 読んだ本から自分にとっては不要な情報を削ぎ落とす作業 (2) その本と対話した自分の思考を記録する作業、の2つからなっている。

(1)の基本は抜き書きである。
しかしながらこの抜き書きというのが非常に時間がかかる。そこで挫折してしまう。
どうすればいいのか。

紙の本ではせいぜいコピーをとる程度しかできなかった。
しかし電子書籍を使えばどうだろう。読みながらココだというところに印やマーカーだけつけておく。
読み終わったらその部分だけ抽出することは技術的には簡単なはずである。

そんなアプリがあれば、紙の本では到底出来なかったスピードで、自動的に読書ノートを作成することが可能なはずである。
しかしそんなアプリを探してみると、要件を満たすものがほとんど見つからないことに気づくだろう。
ただ読めるだけとか、読んでノートを抽出できるのだが端末を変えられないとか、そういうものばかりなのである。

私の知る限り、現時点で最高だと思うツールはAmazonのKindle(キンドル)とZotero(ゾテロ)というフリーソフトである。

とっつきやすいのはKindleであろう。

AmazonでKindel書籍を購入しさえすれば、パソコンなりタブレットなりスマホなりで読書を始めることができる。
素晴らしいサービスである。

しかし残念ながら限界もある。
まず読みたい本がKindle化されていないと手も足もでない。
更にKindle化されている本には、ちゃんと文字データになっているものと、単に画像として表示しているだけのものがある。
後者はそもそもマーカーをつけることすらできないので要注意である。
知らずに買って、衝撃を受けたことがあるのは私だけではないだろう。

運良く読みたい本が文字データ化されていた場合、Kindleを使えば自動で読書ノート作成が可能である。
しかし更に落とし穴があり、出版社によっては引用文を作成できる文章の量に制限がかけられている場合がある。
著作権保護のためだろうが、本の情報の再利用するという観点からは致命的な制約である。

もう1つのZoteroというソフトは元々は研究者が論文を管理するためのソフトであるが、PDFを使った読書ノート作成にしようすることができる。これについては別の機会に書いてみたいと思う。

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