生涯使えるキーボード

クローバーの社

パソコンの作業効率を上げる上では、キーボード、マウス、ディスプレイなどの周辺機器/インターフェースに優れた製品を使うことは絶対条件である。

本記事では、キーボードについて、私の愛機をご紹介しつつ、キーボードを選ぶ上で知っておいた方がよい知識に触れてみたい。

私の愛機は、東プレ キーボード REALFORCE91UBK-S テンキーレス日本語配列カナなし USB 有線接続 静音タイプ 静電容量無接点方式 変荷重 ブラック NG01BSである。

キーボードの打鍵感を追求したものとしては、この東プレ社のREALFORCEとPFU社のHappy Hacking Keyboardが昔からの両横綱である。

打鍵感、研ぎ澄まされたデザインはいずれも甲乙つけがたいが、REALFORCEが普通の日本語キーボードの配列をしているのに対し、Happy hacking keyboardはUnixのプログラマー文化を背景としているためファンクションキーすら省略されているなど、キー配列が玄人志向である。慣れと好みの問題であるが、通常の文章入力を大量にこなすのがメインならREALFORCE、UnixプログラミングがメインならHappy hacking keyboardという選択基準はありうるだろう。

さてREALFORCE91UBK-S であるが、ポイントはUSB接続であること、テンキーがないこと、変化重であること、静音であること、である。

USB接続についてであるが、仮にキーボードとしての性能が全く同じならUSBよりもbluetoothなどの無線接続のものの方がレイアウト上有利なのだが、あくまでも打鍵感を第一にキーボードを選ぶとしたら、2015年現在も有腺/USB接続のものに未だに一日の長があると考えざるを得ない。将来的には無線で質の高いキーボードが登場することを期待しているが。

テンキーがないことについては、自分の使用の仕方と、デスクサイズの兼ね合いで決めれば良いだろうと考える。私はデスクスペースを優先したが、数値入力が多いなら当然テンキーつきのものの方がよい。

変化重というのは聞き慣れない言葉かもしれないが、キーボードの各キーごとに重さを変えているということである。考えてみれば、親指や人差し指と小指では力が当然違う。そのような指の生理的な特性にあわせてキーの重みを変えたのが変化重である。これに対して全キー均一に30g,45gなどにデザインされた製品もREALFORCEにはラインアップしている。これも慣れと好みの問題なので、機会があれば是非試し打ちされるとよいが、残念ながら今日、キーボードは無線が主流となっており、REALFORCEのような高級キーボードを並べて試し打ちできる家電量販店はほとんどなくなってしまっている。

最後に静音であることだが、これは打鍵時音が減弱されているということ。深夜の作業、他に人がいる場合の作業など、静音にこしたことはないだろう。

以上、キー配列、接続方式、変化重、静音性などのキーワードについて触れてきた。キーボードを選ばれる際のお役にたてば幸いである。

最後に、PFU社のホームページで紹介されている東京大学 和田英一 名誉教授の談話がかっこいいので引用させて頂く。

「アメリカ西部のカウボーイたちは、馬が死ぬと馬はそこに残していくが、どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いで往く。馬は消耗品であり、鞍は自分の体に馴染んだインタフェースだからだ。
いまやパソコンは消耗品であり、キーボードは大切な、生涯使えるインタフェースであることを忘れてはいけない。」

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