初期量
成人のT4の平均完全置換用量は 1.6mcg/kg body weight/日である。(体重50kgで80mcg/日)。
実際に加療に必要となる用量には、50~200mdg/日とばらつきがある。
T4の必要量は全体重よりも除脂肪体重(lean body mass)とよりよく相関する。
内服のタイミング
T4は空腹時に水で内服する。理想的には朝食前1時間に内服する。
T4の吸収には1日の中での時間帯より、空腹か否かがより影響を与える。
初回モニタリングと用量調節
6w間隔程度で採血で確認してく(T4、続けてTSHが正常値になるまで続ける)。
T4の血清半減期は1週間である。
T4が安定状態になるのに約6週間を要する。
T4が2mcg/kg/day以上必要になることは通常ない → このような場合は吸収不全を疑うべき。(T4吸収試験というものもある)
T4の吸収を妨げる薬剤はT4内服後数時間以上あけて内服させる。
有害事象
T4製剤へのアレルギーは稀であるが存在する。
dye(染料)に対するアレルギーの場合 → white 50mcg錠を用いる。
excipients(filler)に対するアレルギーの場合 → ソフトジェルカプセルを用いる。
持続する徴候
TSHの正常上限値は加齢とともに上昇すると考えられている。80歳では約7.5mU/L。
用量過剰
最も警戒すべき副作用は発作性心房細動(af)である。次に警戒すべきは骨粗鬆症である。
TSH 0.04 and 0.4 mU/L なら不整脈、骨折リスクはTSH正常群と較べてリスク増加なし。
TSH < 0.03群では不整脈(HR 1.6)、骨折(HR 2.0)ともにリスク増加あり[42]。
甲状腺がん術後TSH療法でない、通常の甲状腺機能低下症の治療では、TSHを正常範囲内(約0.5 to 5.0 mU/L)にするのが治療目標となる。→考え合わせるとTSH抑制療法ではTSH0.3±0.1程度が妥当か。
T4T3混合治療
正常のT4-to-T3分泌比は13:1~16:1である。
T3の内服は午前午後の1日2回に分割した方がよい。
T3はT4より血中半減期が短い。
高齢者への投薬
50~60歳以上 → T4 50mcg/日から開始。
冠動脈疾患の既往がある患者では T4 25mcg/日から開始。
3~6週間ごとに25mcgずつ増量しながら調節する。
外科手術
5~7日以上内服できない場合、T4を静注する。この場合は経口用量の70-80%でOKである。
コンプライアンスの悪い患者の場合
T4を毎日内服 → 1週間に1度の内服(用量は1日量の7倍)もOKである。
週1回法の方が、毎日法より最初の1週間の血中濃度はやや高い。2週目以降は同等となる。
冠動脈リスクのある患者にはやるべきではない。
図表
T4の必要量を増加させる因子
米国における経口T4製剤の特徴
潜在性甲状腺機能亢進症によるafの増加
原題
Treatment of primary hypothyroidism in adults




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