肩こりの治療薬を考える

クローバーの社

肩こりは、ずっと同じ姿勢で座っていたり、緊張して必要以上に力が入りすぎていた結果、肩の筋肉がこわばってしまって痛みを感じる状態である。
だから根本的な解決は肩を動かしたりストレッチしたり、マッサージして血流を良くしたりして、筋肉をほぐすことである。
長期的には、肩こりになりにくいように生活習慣を変えていくことである。

とはいえ、既に凝ってしまってどうしょうもない場合は、早急に解決したいのも事実である。
肩こりや腰痛に関しては、医者以外にも、鍼灸師やマッサージ屋さんなど色々な業種が入り混じってサービスを提供しているが、普通の医者はどんな治療法を持ち合わせているのか、書いてみたい。

まずオススメするのは、貼り薬や塗り薬である。
貼り薬には、温湿布、冷湿布、どちらでもないもの、分厚い湿布、薄いテープなど色々があるが、お好みでよい。
塗り薬もゼリーやスティックなどあるがこれもお好みである。
なぜこれらが最初に来るのかと言えば、飲み薬のような全身的な副作用の心配がないからである。

これらでは満足してもらえない時、飲み薬の出番となる。
飲み薬は大きく、痛みをとる鎮痛薬と、筋肉のこわばりを緩める筋弛緩薬、漢方薬の3種類がある。

日常的にはまず鎮痛薬が処方することが多い。
これまた色々な種類があるが、カロナール(アセトアミノフェン)が最も無難である。

筋弛緩薬というと怖い響きであるが、デパス(本来は精神安定剤)、ミオナールやテルネリンというほとんど肩こりの場合だけ登場するものが有名どころである。
自分自身で試した感じではデパスが最も効くが、ミオナールは時に非常に効いたという患者さんもおられる。
ただ痛みを紛らす鎮痛薬よりも筋肉そのものを緩める筋弛緩薬の方が、肩こりの根本を治療していると思われるし、実際自分自身ではこちらの方がすっきりすることが多いが、眠気、ふらつき、依存性など副作用が強いので患者さんは積極的には勧めにくく、痛み止めで満足できない場合の切り札的存在である。

最後に漢方薬であるが、葛根湯が肩こりに効くとされているので、時に処方することもある。
肩こりの方は何週間も何ヶ月もずっと薬を飲み続ける傾向があるので、葛根湯をそういう風に使うのはやや抵抗感があるが、効いたという方もおられる。
短期の使用ならこれもまた副作用はまれな薬なのでよい選択であろう。

医者の手のうちを明かしてみた。肩こりに悩む皆さんのお役に立てば幸いである。

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