副業を考える

本業がものすごく儲かっていて、かつものすごく忙しいのでない限り、誰しも副業を考えてみたらよいと思う。

副業にはもちろん、収入を増やす、収入源を複数化するという経済的メリットがある。しかし副業のメリットは経済に限らない。副業をしようと思えば、何をすれば稼げるのか必死に頭を使わざるを得ない。その過程で自分自身について、世の中についてより深い洞察を得ることができる。結果としてそれがより深い生き方につながると思うのだ。このメリットが実は大きいと考える。

副業は大きく2種類に分類できると思う。1つは自分のスキルを売るものである(スキル型の仕事)。もう1つは自分の資産をリスクにさらして投資するものである(資産型の仕事)。

自分のスキルを売るものには、文章を書く、プログラムを作る、写真を撮る、作曲をする、絵を描く、料理を作る、人にものを教える、法律や医療など専門的なサービスを売る、など様々なものがある。

これらの仕事の特徴は、基本的にリスクはないか極めて少なく、働けば働いた分、収入になることである。「時給×時間」あるいは「単価×数」という歩合制の世界である。

これは会社員など雇用されて働くのと同じ仕組みである。

このタイプの仕事で経済性を追求すれば、いかに時給を上げるかという、時給の問題に帰着する。時給は需給のバランスによって決定するが、基本的には高度なスキルを要するものほど時給も高い傾向がある。とはいえ、ほとんどの仕事はスキルが高まるにつれどこまでも時給が高まるわけではなく、ある程度のところで頭打ちが来る。

本業も同じタイプの場合(要するにサラリーマンなどの勤め人である場合)、時給の一番高いものを本業にするのが合理的であろうし、そうした本業があるならお金のことだけを考えれば副業するより、できるなら本業で1時間でも長く働いた方が効率的である。あるいは本業の時給を更に高めるような勉強をしてみるのも合理的である。

とすれば、勤め人がスキルを売る副業をするなら、単に時給より、やりがい、楽しさといった精神的報酬を副業選びの基準とした方がいいのではないかと考える。

さてもう1つの副業は、自分の資産をリスクにさらして投資をすることである。

株やFXなど金融資産を投資するもの、賃貸業や民泊など不動産に投資するもの、物を買って売るという転売、などが代表的なところである。

スキル型の仕事に比べて、こちらのタイプの仕事の特徴は、資産を減らすリスクが大きいこと、歩合制ではなく儲かる時は大きくあるいはラクに儲かることである。

実際に自分がどんな副業をしようかと考えると、スキル型なら自分にはどんなスキルがあるかを棚卸しすることになる。そうするとおそらく多くの人は、あまり多くの種類がないことに気づく。学校で家で職場で人生では色々なことを勉強して来たはずだが、それをしてお金を頂けるようなレベルにまでスキルを高めるのはかなり大変なことであるのがわかる。多くのことを学んでも、多くのものはアマチュアレベルで終わるということである。自分だけでなく、周りの人を見ても同じだとわかるだろう。

スキル型のこの難しさの故に、副業をするなら資産型も考えてみる必要があるだろう。しかしこちらはこちらで、先立つものがないと何も始まらない。そして相続するなり貯金するなり、何らかの方法で既に大きな資産を持っている人が有利なのは間違いない。

こうして考えみると、スキルをプロのレベルにまで高める努力をする、あるいはまとまった資金を蓄える、といういずれかの方法によらずしてお金を稼ぐことは難しいことがわかる。この事実を冷静に思い巡らすと、生き方に違いが出てくるのではないかと思う。

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